2012年01月31日

『よるくま』(書評2012 4/50)

上の子はもう5歳。早いものだ。
で、当たり前だけど、5年間、子どもと暮らしてきたわけだから、絵本というものが、とても身近なものになった。
もともと児童文学とか絵本は好きだったけど、毎日読んであげるというスタンスで絵本に接してきて、絵本の面白さとか、奥深さとか、それぞれの個性なんてのがわかるようになってきた。

僕の中で、いちばん面白い気づきはストーリーの重要性。

今までの僕が好きな絵本の代表格は『11匹のネコ』なんですが、これはシリーズのどの作品をとっても絵はもちろんだけど、話が面白い。どこかに「あっ」と言わせる話の展開があって、すごく辻褄があっている。
なんというか、話に整合性があるんですね。

僕は、なんとなく整合性のある話が好き。というか、好きだった。だから、なんというか、僕が選ぶ絵本も、自然と「わかるなー!」という面白い話が好きで、そういう絵本を選んでいた。

ところが、子どもが喜ぶ絵本というのは、話の整合性とか、あまり関係ないんですよね。『もりのなか』って絵本があるのですが、これとか、男の子がもりのなかに入っていくと、ゾウとか熊がどんどん仲間になって、最後は夢でしたーってオチ。とても話としてよくできているわけじゃないんですが、その絵と全体的な世界観で、不思議な世界を演出していて、子どもの心をつかんで離さない。んで、僕、最近『となりのトトロ』に対するリスペクトがすごいんですが、これなんかも話としては、そんなに何があるってわけじゃない。ただ、ひとつひとつのシーンの緻密な描写をつないでいるに過ぎない。でも、だからこそ話がわからない子どもでも熱中して見ている。

僕は、子どもと絵本を読むまで、ストーリーこそ面白さの根源だと思っていた。けど、違うね。大切なのは行動描写。会話とか、食べるシーンとか、逃げる場面とか、そういったひとつひとつのパーツに、人間は惹かれるんだと思う。
おそらく、そのパーツを楽しめる作品ってのは、何回も読みたい作品なんだろうな。ストーリーにしか魅力がないものは、オチがわかると読む気がしないんだと思う。

子どもと絵本を読むようになって、そんなことに気づいた。

さて、そこで紹介したい絵本が、この『よるくま』なんですが、これは、その描写の緻密さと、ストーリーの面白さを、とても高い次元で両立させている作品だと思う。その上、物語を見る視点が、意図的に転換されていって、読んでいるほうとしては、「あれ?」「ん?」といった不思議さを感じながら、最後の最後に「あ〜。ああ!!」といったすごく腑に落ちるラストで締めくくられている。どれだけ緻密に話を作り込んだんだろうな。

おそらくコマを間引くことにも腐心したはず。前半部は、とても細かく描写されているんだけど、話が進むにつれコマが間引かれていって話がダイナミックに進む。そして決定的な「たすけて 流れ星!」。話がつながっていないところを、読み手が頭で補完する。その感覚もとても楽しい。たまたま昨日、NHK教育のテレビ絵本でこの『よるくま』をやっていたけど、紙の絵本のほうが圧倒的によかった。もう圧倒的に。買ったら子々孫々と受け継がれること必至の名作中の名作。ぜひ子どもと読んでみてください。


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2012年01月30日

編集者フェア

フェア1.jpg

有隣堂ヨドバシAKIBA店さんがやっておられる編集者に視点をおいたブックフェアに参加させてもらっています。







スゴイ編集者によるスゴイ本のフェア。スゴフェア。

ロングセラー・ベストセラーを手がけてきたスゴ腕の編集者=スゴ編が、自身の担当作から選りすぐりの書籍をセレクト!
普段は表に出ることのない「編集者」という視点で本を選んでみるのはいかがでしょうか?
どれも間違いのないのない本ばかりです!

総勢22社、33人のコメント、プロフィールを載せた小冊子を無料配布中です!


こんな感じのフェアです。秋葉原ってあまり行かないのですが、今日ちょっと寄って拝見したのですが、いろんな編集者の本があって僕も刺激になりました。各人が編集するうえでこだわっていることをまとめた小冊子があるのですが、これが至言が多くてためになった。このお店自体も、オモチャなども配して楽しい作り。お近くにお寄りの際には覗いてみてください。フェアは、2月25日までやっているみたいです。


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2012年01月20日

『ブラックジャック創作秘話』(書評2012 3/50)

僕は1995年から編集の仕事を始めたのだけれど、最後の手工業%Iな現場に携わることができたんだなと、思っています。
編集の現場は、他の業界に比べれば、古いやり方がいい意味で残っていたんだと思う。僕なんかは、手書きの原稿用紙をもらって入稿作業もやったし、色見本帳とか写植見本帳とか級数表といった、今では編集の現場から消え去った道具も使っていた。
まだ、アナログが残っていたんですよね。それで僕は、そういったアナログ感がけっこう好きだった。なんか想い描いていたような編集の現場がそこにあったんですよね。

そんな古き時代の編集者の姿が描かれているのが、この『ブラックジャック創作秘話』という漫画。手塚治虫というのは、遅筆で有名なのは知っていたけれど、どれくらいひどかったのか。そのエピソードが関係者の証言で明らかにされている。飛行機便が終わってしまって、最後の手段とばかり、普通の乗客に「手塚治虫の原稿を東京まで運んでください!」と突然頼み込むとかリアルリアル。

なんか、こういった苦労話は、業界の諸先輩方は大好き。若い人は、こういう話を聞くの退屈かもだけど、僕は好きだ。おじさんの「昔は大変だった話」は、なんか妙に惹かれるのでした。そんな人は、きっと好きな漫画ですよ。
あ、ちなみに僕の手塚治虫ベスト3は『陽だまりの樹』『きりひと讃歌』『火の鳥』。いつか子どもにも読ませようと思って、大事にとってあります。



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2012年01月16日

『武器としての決断思考』(書評2012 2/50)

京大で「意思決定論」とか「起業論」とか「交渉論」といった授業をし「ディベート甲子園」なども企画する著者が、議論は何のためにするのか、そのポイントは何かってことを綴った本。

世の中に「正解」なんてものはない。正解がわからないから動かないのではなく「いまの最善解」を導きだして、とにかく行動することが重要だ
根拠を比較して得た結論を、とりあえずの「答え」にしよう

こういったところが大結論として提示されていたけれど、僕は「ブレない生き方には価値はない」という考えにいちばん共感した。

個人的には、過去の自分からどれだけ変われるかって、人生を充実させる指標だと思っている。とくに、20歳くらいで決めた自分なんかにこだわるのは本当にもったいない。
たまに「日本酒飲めないんです」と言う人がいて「なんで?」って聞いたら「学生のときの嫌な思い出があって……」なんて言い出す人がいる。
そりゃ学生が飲む酒場で唐揚げといっしょに飲む日本酒はオレも嫌いだよ。

若いときの自分の思い込みを、自分の個性としてずっと大事にしている人がいるけれど、これはもったいない。これは酒の話だけでなく、多岐にわたるなんでもそうだと思う。
人はどんどん変わるもんだと思うし、変わることをポジティブに許容していけるかどうか。
核となる部分は大切にすべきだけど、変われる部分も柔軟にもつ。これ、けっこう大事なことだと思っています。
「自分にこだわらず、どんどん変われ!」
こんなメッセージの本、あってもいいよなー。





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2012年01月11日

トータス松本さんのチャイ

去年あたりからチャイ好きなんですよ。

冷え性改善で生姜に興味が出て、その流れで好きになったんですけど、じゃ自分で作ってみたいなーと思って出会ったのが「チャイの達人」の異名を持つトータス松本さんのチャイレシピ。
この動画いいよー。
この通りに作れば、とっても美味しいチャイが作れる。僕が作るチャイも、奥さんともどもみんな「うまーい!」って言ってるからね! というわけで、今日、某カフェで甘すぎて美味しくないチャイを飲んだので、美味しいチャイ普及の意味でこんなネタをアップしてる深夜11時半でした。

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2012年01月10日

『50歳を超えても30代に見える生き方』(書評2012 1/50)

きっかけは、去年の腰痛なんです。
1歳になろうかという娘が、よちよち僕のところにやってくるもので「わーい!」となんども抱っこしてたら「うぅ……痛い」と、腰が痛くなりまして。

それで整形外科に行ったら「とにかくストレッチをしろ」と言われて、ちょっとリハビリのようなところに通って足から腰を伸ばす運動をやったわけです。これを家でも続けたところ、腰痛が改善しただけでなく、なんとなく歩きやすくなるほど、いい体の反応があった。

このとき、なんとなく腰痛に感謝する思いがあったんですね。
少し腰が痛いというちょっとした初期の信号を上手にキャッチできたから、重傷化を防げたなぁと。それで、もう来年から40歳だし、ちょっとした生活習慣で改められる部分はないだろうか……そう思っていたときに、何気なく手にした本がこれだったのです。

「50歳を超えても30代に見える」というのは、なんとなく眉唾もので手にとったのですが、この本の著者であるお医者さんは、56歳なのに、表紙にあるようにこんなに若い。それでやってることですが、これをすごくシンプルに書けば、早寝早起き、よく歩く、小食。あとゴボウ茶を飲む。こんなとこかな。こんなんで若くなるのか?と思うでしょう。僕も思ったのですが、わかりやすい文章と、なんとなく僕の中で腑に落ちる考えが合致したので、面白かった。

それは例えば、腹が減ってぐうぐういってるほうが体にとってよい作用があるという現象は、「トマトは水をあげないほうが甘くなる」という現象と同じだなぁと思ったんですね。きっと、体を原始に返すほうが、体本来の機能は活性するのではないか。別件で「ホールフード」という、食べ物を丸ごと食べるほうが体に良いという話も読んでいたのですが、この先生はこれも提唱していて、なんとなく「体のことは体が一番知っているんだろな」と思う僕の感性に近かった。

それで、この本にあるように、できるだけ早寝早起きして、できるだけ「腹七分目」&よく歩くを意識するようになって3ヶ月。あんまり体重を減らそうという意識ではなかったのですが、それでも3キロくらいは自然に痩せたね。

ま、これで体がどこまでよくなったのかは、不明ですが、とにかく体を意識するってことはよいことだろうし、歩く、そしてストレッチで伸ばすというのは、これからも続けていこうと思っています。

「まだまだ若い。でも、もう若くない」

40歳って多分こういう歳なんだと思う。ちょっとした意識でやれることには、楽しく取り組んでいこうかと思っているのでした。


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2012年01月01日

あけましておめでとうございます&天皇杯優勝!

天皇杯写真.JPGあけましておめでとうございます!

今年は、会社の年賀状にも書いたのですが、「半径5メートルを大切にする」というのをテーマにしました。
仕事の視点など、今まで、遠くを見がちだったけれど、ここは一旦視線を足下に向けて考えてみよう思っています。

さて、そんな2012年の初日、帰省先の京都から東京に戻ってきて、国立競技場でFC東京の天皇杯優勝を見届けてきたのでしたー!

いやー、初めて元日の国立に行ったけど、一生忘れない心地よさだったね。
いろいろ雑感かいておきます。

○今日の国立は温かかったね。ただ、陽が傾くと一気に寒くなって、おニューのポットに入れていったホット梅酒が活躍したー。これからはスタジアムにはポット君でいこー。

○今日は、バックスタンドの1列目から見てたんですが、ルーカスすごかった。ポストプレーの上手さがよくわかった。ルーカスは1トップで前線に張ってるわけだけど、ここにボールが来たとき、ディフェンスを背負って長い足でキープしながら、2列目の選手の上がりを待てる。かと思いきや、ボールに触れずパッとターンして、ボールを前に進めてディフェンスを置き去りにする。この2択を常にディフェンダーに対して仕掛けているんだね。ここがすごく相手にとってやりにくいんだと思う。セザーとか達也は、もらって前に抜けるばかりだから、やりやすいんだろうなー。敵を背後にしたときに、プレーの選択肢を持つフォワードの強さだね。ルーカスやっぱいいですなー。

○あとは森重でしょう。今日、テレビでFC東京を見ていて、スタジアムに行ってみようかと思った人は、ぜひ森重を見て欲しい。今日はフリーキックでゴールも決めた森重は、おそらくサッカーセンスでいえば、FC東京でも一番だし、国内でも屈指なんではないかな。センターバックからのボール回しの巧みさは、ゴール前で攻めているとき以外はつまんないと思っているあなたのサッカー観を変えてくれると思うのです。今野が移籍してしまっても、FC東京にはモリゲがいるのです!

○ナオも動きがシャープだったねー。左足のシュートがライナーで枠を捉えるようになれば、また往年の活躍ができると思う。

○京都の久保裕也は、いいね。彼は立命館宇治高校だよね。僕は立命館なんで姉妹校にあたるわけですから贔屓にせねば。立命館宇治は、高校選手権にも出てるはずで、勝ち進んだら応援に行こうな。

なんてことを、子どもが寝た後、録画を見ながら書いてるわけですが、地震があったとき、画面はあんなに揺れてたのね。驚き。あのとき「なんだよ貧乏ゆすりしてるヤツ」って思いながら、真剣に見てて「貧乏ゆすりいい加減にしろよ……あれ?」と、思って気づいたのでした。電車、止まったりしなくてよかったよ。ま、なにはともあれ、天皇杯優勝は格別。いい年の初めになったね!

posted by okataco at 23:34 | TrackBack(0) | FC東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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