2012年11月26日

『小学生の学力を伸ばす本』(書評2012 45/50)

僕も原稿を書いていた別冊宝島の『小学生の学力を伸ばす本』というシリーズが単行本化されたのですが、これが実によい出来だったのでご紹介しておきます。

《学校では教えてくれない成績アップの裏ワザを、各界の専門家が伝授! 脳科学の第一人者・林成之教授が教える「集中力が上がる“ゾーン"脳のつくり方」、ヨコミネ式天才教育・横峯吉文先生の「自学自習力」、立命館小・深谷圭助先生の「辞書引き学習法」、教育評論家・親野智可等先生の「ノート術」、花まる学習会代表・高濱正伸先生の「できる子になる5つの基礎力」など、各界のプロが目からうろこの学習法を教えます。》

こんな感じで、別冊宝島で特集した話題の専門家の教育メソッドが一冊にまとまっているのですが、冒頭にある編集の方が書いた一文が実に的確だった。

《本書に登場してくださった6名の専門家は、それぞれの現場で、多くの体験をもとにこれらの教育法を開発されました。ところが不思議なことに、本書をお読みになればわかるとおり、6名の主張には共通点がいくつもあるのです。たとえば、「嫌いをなくす」「体験を重視する」「とことん考え抜く」といった指導法は、本書の中でたびたび出てきます。どの専門家のメソッドも、その根底にあるのは、「子どもをよく観察」し、「子どもの本能に従い」「無理なく伸ばす」ということです。どんな子どもでも持っている力を引き出そうとした結果、その道のプロが同じ結論にたどりついたのは、たいへん興味深いことです》

ホントそうなんですよね。僕もたびたび取材に行って感じていたのですが、独自の教育ノウハウで成果を出されている方はだいたい同じことを言う。そのハウツーの細かいところは違えども、根本は同じなんです。僕が感じているのは、要は知識を与えても無駄で、子どもが学びたいという意欲をどうもたせるか。この一点に尽きるなぁと。こういった事実を、一線級の教育法を俯瞰することによって知ることができるという意味で、この本は、とても有用だと思ったのでした。

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2012年11月23日

『闘う区長』(書評2012 44/50)

国の政治にも無関心の人が多い中、地方行政にどれほどの人が意識を向けているだろう。それこそ、僕も数年前まで、全然関心がなかったのだけど、あのときからやっぱり変わった。その「あのとき」とは、やはり3・11のことで、あのとき以来、地方行政に関心が向くようになった。そのきっかけとなったのが、この本の著者である保坂展人さん。今、僕が住んでいる世田谷区の区長です。

この本は、保坂さんが世田谷区の区長に立候補して当選、そして今までの活動を振り返ったものです。保坂さんは、あの東日本大震災の当日は区長ではなかった。それまで衆議院議員を3期11年務めた後、落選し、このときは本来の仕事であった教育問題を中心に考えるジャーナリストとして活動していた。そんなとき、あの地震があった。保坂さんは、個人的な支援活動の最中、杉並区の素早い活動や被災地の市長の動きなどを見て、地方行政のあり方を考える。そんなとき、世田谷区の区長選への立候補の要請がくる。そこで彼は、ここでしかやれないことがあるだろうと「脱原発」を掲げて立候補し、当選したわけです。
 そこで保坂さんが、どんな方針で区長としての活動をスタートさせたのか、こんなエピソードが紹介されている。
《私は最初の方針説明で次のように話した。行政の仕事とは継続です。日常業務は、誰が首長になろうと、同じようにこなしていかなければなりません。その意味で、これまでの区政の九五パーセントは継続します。だからどうか九五パーセントは、安心して従来どおりの仕事を続けていってください》
行政、とりわけ地方行政は、たしかに継続が大切なんだろう。ただ保坂さんは、残りの5%を独自の考えて動き、新しいスタイルを出していくのですが、ツイッターやブログを使った情報発信も保坂流だった。その保坂さんの発信に、注目が集まったのが、2011年10月に世田谷区の弦巻で見つかった超高線量放射線騒動でした。
世田谷で2.7マイクロシーベルトという高い放射線が記録されたこの事件。結局、民家の軒下の瓶が放射線源で原発由来のものではなかったのですが、当初、その場所が、うちの子どもが通う幼稚園のすぐそばだったこともあって、緊張感を持って見守っていた。このとき、保坂さんが、入手した情報をすぐ開示してくれて、とても安心したことをよく覚えている。保坂さんは、このときの情報開示の経験を振り返りこんなことを書いている。
《今回の原発事故対応で、電力会社や政府が誤ったのは、「情報の真偽を確かめる」「国民のパニックを防止する」などという理由で情報を抑え、結果として隠蔽し、或いは事態を楽観的に見る情報を流したりしたことだ。国民は正しい情報を得られればそれをもとに判断し、行動を取る。私が、今回の騒動で得た教訓である。》

区の行政というのは、今までは、国、そして都が決めたことを実行に移すだけだと思っていた。しかし、この出来事を自分のこととして体験してから「違うんだな」と感じたことが、僕が地方行政に関心を得たことの大きなきっかけとなった。そう、地方行政にもちゃんと意志があり、差異があるんだな。
これを知った事はとても大きかった。そんなことを改めて知ることができ、自分の地域の行政に働きかけるきっかけを得るためにも、いい本だと思う。地域の政治こそ、僕たちの一番身近なことが検討され決まっている。もっと関心持つべきだ。やっぱり。

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2012年11月14日

『シコふんじゃおう』(書評2012 43/50)


ここのところストレッチをやっているんですが、なんかもうちょっと目標が欲しくなって、「股割り」をやってみようと思い至った。
股割り、わかりますよね。両足を広げてペターンと体を地面につけるやつね。

というのも「股関節が大事」というのを各所で見かけるんですよね。『天才は親がつくる』という、プロアスリートの親がどうやって子どもを教育したかって本でも、股割りを子どものときからやらせていたって人がけっこういた。

だから「いつかは俺も股割り」と思って、なんかコツでもないかなと手にとったのが、この『シコふんじゃおう』という本でした。

ただ、これによると「股割り」は、日々やっていくしかないようで、別にこの本を読んだからって、すぐにできるもんじゃない。まあ当たり前か。ただ「腰割り」という姿勢の大切を教えてもらった。

《シコの基本の姿勢、股関節を開き、腰をおろした姿勢を「腰割り」の姿勢といいます。「シコ立ち」ともいいますが、相撲の基本はシコであり、シコの基本は「腰割り」です。(中略)腰割りのやり方を簡単にいえば、両足を肩幅よりも広く開いてゆっくりと腰を落としていく》

イチローが打席を待っているときにやっている姿勢といえば、ピンと来る人もいるでしょうが、この腰割りがどうも大事だという。そこで、さっそく、合間合間にこの腰割りをやるとともに、シコもやってるんですけどね、ちょっとそこのあなた、まあやってみてください。シコ。足、上がります? 上がんないでしょ(笑)。まあ、すすっと上がるような人は、あっちいってて欲しいんですが、運動不足の人ってシコを踏もうとしても足を上げることもままならないはず。
それで、本当のお相撲さんが、どの程度足を上げているか知ってますか? ま、これ見てみなさい。

「【夏合宿】四股の踏み方講座!!皆さんもやってみて下さい!」

ビビったでしょ(笑)
僕は自分の足の上がらなさ具合と、この普天王のシコ姿にいたく心を動かされたので、今日もシコを踏んでいます。ま、一日10回ほどだけど。でも、それでも徐々に足が上がるようになった気がする。あと、股割りも日々取り組んでいるんだけど、だいぶ足が開くようになってきた! やればできるね40歳でも。股割り完成したら、ドヤ!って感じでここで報告する所存です。どすこい。

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2012年11月05日

『ヒーローマスク』本日発売

ヒーローマスク.JPG脚本を担当している月刊『ヒーローズ』連載の「ヒーローマスク」の単行本が今日発売されました。平凡な高校生が、ある日不思議なマスクを拾って……というお話ですが、作画の鶴ゆみかさんの親しみやすい絵の力もあって、広く読んでもらえる作品になっていると思いますので、よければ手にとってくださいませ! この先の展開は、随分と考えているのですが、脚本が実際に絵になると、その世界観がまた違ってみえて、「こういう展開もあるな」と、どんどん変転していきます。連載漫画は、そんなライブな感覚が楽しい仕事ですね。これからも連載続いていきますので、よろしくお願いします。そんなわけで宣伝まででした。
*「ヒーローマスク」は「ヒーローズWEB」で試し読みができますよ。


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2012年11月04日

『飛べとべ、紙ヒコーキ』(書評2012 42/50)

紙ヒコーキ.jpg早いもので、上の子は今月の末で6歳。楽しい幼稚園も来春で終わって、今度から小学校に上がります。

そんなウチの子が最近何をやっているのかといえば、これはもう紙ヒコーキなのです。きっかけはすごく単純で、ふと気が向いて「紙ヒコーキでも作ろうか」と、いっしょに作ってみたら、自分で折ったものがすごく飛んだ。

今まで、というか多分3歳とか4歳のときに挑戦してみたけど上手にできなかったんだろうな。だから、紙ヒコーキは難しいと思っていたけど、やってみたら出来た! これが嬉しくて嬉しくって、その日から家中の紙をかき集めて、ヒコーキを飛ばしまくっています。

挙げ句は、幼稚園でも紙ヒコーキを作りまくって、周りの子どもたちを巻き込んで、一大紙ヒコーキブームを巻き起こしているんだとか。ま、大量の紙ヒコーキは大変に邪魔なのだけど、ゲームしてるよりいいだろうと僕も「やれやれ〜」と応援してるのです。

その応援の一環として「漢字を20個書けたらあげる」とプレゼントしたのが、この「飛べとべ紙ヒコーキ」という本なのですが、これが実に面白い本なのです。

まず面白かったのが、この本の作者である戸田さんのプロフィール。
本の冒頭にある紹介によれば、この戸田さんは、早稲田大学の理工学部に入学。先輩だ。この先輩、大学入って体を悪くし、下宿で療養生活をするんだけど、この時、暇だからって紙ヒコーキばかり作っていたんだとか。それで結局、大学も中退することになるんだけど、実家に帰るときに、大量に作った紙ヒコーキだけを段ボールに詰め込んで送ったのだという。紙ヒコーキばかりを作っていた大学時代「僕はいったいどうなるのかなぁ」と思ったと回想しているが、両親も早稲田に入れた息子が大量の紙ヒコーキと共に中退してきたときは「どうなるのかなぁ」と思ったことでしょう(笑)。笑い事ではないですが、ちょっと笑ってしまったよ先輩。
でも、こういった情熱というのは、どこかで花開くもので、とある展示会に出展した紙ヒコーキが話題となり、紙ヒコーキ博士と呼ばれるようになって、今回、この本を出版することになったという。

それで肝心のこの本なのですが、これが実によくできているのです。お馴染みの紙ヒコーキから、見た事のない紙ヒコーキまで21作品が紹介されているのですが、秀逸なのは、別冊で100枚の紙が付いていること。この紙こそ博士が、「これこそ紙ヒコーキに最適!」と選びぬいた逸品で、これが本当に感動的な飛行を実現するのです。「わっ!すげー!」と、僕も息子もこの紙で飛ばしたときには歓声をあげたほどのこの逸品が100枚ついてお値段1300円と実にお買い得。
子どもへのちょっとしたプレゼントに最適です。

posted by okataco at 22:47 | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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